2025年11月22日(土)、ポートメッセなごやで開催された「Japan Mobility Show Nagoya 2025」会場内にて、第11回「全国高校生コマ大戦」が行われました。
加藤軽金属工業は、未来のエンジニアたちの熱い挑戦を応援するため、昨年に引き続き本大会のスポンサーを務めさせていただきました。
第11回「全国高校生コマ大戦」決勝トーナメント
勝者は「総取り」。変形する土俵。残酷で美しい真剣勝負
「たかがコマ、されどコマ」。
会場で繰り広げられたのは、己のすべてを直径20mmに込めた、真剣な勝負でした。
直径20mm以下、全長60mm以下という小さなコマを土俵に送り出すその瞬間。
選手たちの手は、明らかに震えていました。
緊張で滲む手汗をハンカチで何度も拭う姿。
指先一本にすべての神経を集中させ、祈るようにコマを放つ眼差し。
なぜ、そこまで追い詰められるのか。この大会には、高校生には厳しいルールがあります。
それは、「勝者は敗者のコマを戦利品として総取りできる」という掟。
負ければ、手塩にかけて育てた愛機を、その場で失うのです。
だからこそ、土俵に送り出す選手たちの指先には、強い緊張が宿っていました。

さらに、戦いの舞台となる直径250mmの土俵(ケミカルウッド製)も、勝負の行方を左右します。
激しい衝突によって、土俵は試合ごとに微かに変形していきます。
目に見えないほどの「微々たる凹み」や「傷」。
その微差が、コマの回転に決定的な影響を与え、勝敗という大きな結果を変えてしまう。
0.01mmの精度を追求する技術、一瞬の運、そしてプレッシャーに打ち勝つ精神力。
そこにあったのは、ものづくりの「厳しさ」と「面白さ」が凝縮された、私たち大人のプロ顔負けの真剣勝負でした。
社長、人生で一番モテる!?アルミ廃材プレゼント騒動
そんな張り詰めた真剣勝負の裏で、私たちも少しだけ彼らの役に立てる出来事がありました。
「練習や製作の材料になれば」と思い、弊社から約20kgものアルミ廃材を持参したのです。
20kgの金属塊です。会場に運び込むだけで「ヒイヒイ」言うほどの重さでした……。
しかし、会場で「廃材プレゼント!」とアナウンスしていただいた瞬間、事態は一変しました。
「わーーっ!!」(※イメージです)
アナウンスが終わるか終わらないかのうちに、大勢の高校生がブースに殺到!私が必死に運んだ20kgのアルミは、文字通り「一瞬」でなくなりました。
これまでの人生で、これほど人に群がられた経験はありません(笑)。
一般の人から見ればただの「廃材」が、彼らにとっては「宝の山」に見えたのでしょう。
「これで新しいコマが作れる!」と目を輝かせてアルミを持っていく姿に、彼らのものづくりへの貪欲さと純粋な情熱を肌で感じ、私自身も胸が熱くなりました。
次世代の「ものづくり」をこれからも
自分たちの手で作り、プレッシャーの中で結果を出す。
勝って相手のコマを手にする重みを知り、負けて愛機を失う悔しさを知る。
この強烈な原体験は、彼らが将来エンジニアとして活躍する上で、何よりの財産になるはずです。
加藤軽金属工業は、これからもこうした機会の創出と支援を通じて、実業であるものづくりの楽しさと、挑戦する若者たちの未来を応援し続けてまいります。
参加された高校生の皆さん、たくさんの感動をありがとうございました!
第11回「全国高校生コマ大戦」予選リーグ

















