環境配慮と経営革新が求められる現代、このたび当社・加藤軽金属工業(株)の取り組みを経済産業省の「第5回 素形材産業ビジョン策定委員会 資料」にてご紹介いただく機会をいただきました。
当社の“グリーンアルミ”への挑戦とその成果が、同じ志を持つ企業の皆さまにとって、何らかのご参考となれば幸いです。
(資料5・P51に弊社事例掲載)
素形材産業ビジョンとは? クリックして展開
素形材産業ビジョンは、日本の製造業が成長戦略として掲げる高付加価値分野への進出や海外展開を推進するための指針です。具体的には以下の3つの目標を掲げています。
- 高付加価値分野へのシフト: 2040年までに素形材需要の比率を自動車中心から航空宇宙、産業機械、医療機器などの高付加価値分野で3割から5割へ。
- 海外展開の拡大: 海外直接投資や輸出の比率を3割から5割に引き上げ。
- 新技術との融合: 金属積層造形市場における世界シェアを2割に拡大。
これらを実現するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、経済安全保障を柱とし、持続可能な産業への変革を目指しています。
目標達成には、情報発信力や人材育成、取引適正化といった基盤強化も必要とされています。
環境と経営の両立を実現する取り組み
当社は、3代目社長の就任を機に、CO2排出量削減やリサイクル可能な接合技術の開発を通じて、環境配慮型経営への転換を進めてまいりました。
具体的には、以下の取り組みを実施しています。
- 省エネ診断の活用:CO2排出量の分析に取り組み、業界団体や専門家の皆様からご指導いただきながら削減対策を検討。
- 技術開発への挑戦:水と熱を活用した分解・リサイクル可能な接合技術の開発に着手。
- 物流の見直し:パレット連結による積載効率の向上に取り組み、輸送時の環境負荷を削減。
- リサイクル活動:使用済みアルミ部品のリサイクル事業を展開。
情報開示を通じた取り組み
当社では、製品のCO2排出量を公表することで、環境配慮型“グリーンアルミ”としての価値を高めています。
具体的な成果として、以下の活動が挙げられます。
- カーボンフットプリント情報の公開:製品のライフサイクル全体でのCO2排出量を可視化することで、ステークホルダーとの信頼関係を強化しました。この取り組みにより、環境負荷を考える複数の業界パートナー企業から新たなコラボレーション提案を受け、共同で環境負荷削減プロジェクトを進めています。
- 社員による自主改善提案の活性化:環境負荷削減に向けた社内活動を促進。
- リサイクル事業の展開:使用済みアルミ部品の回収と再資源化を推進。
これらの活動を通じて、ステークホルダーの皆様との対話を深め、より良い関係づくりを目指しています。
環境経営がもたらした気づき
これまでの取り組みを通じて、当社は環境課題への対応を進める中で多くの学びを得ました。
特に、省エネ診断や専門家からの助言を受けることで、実現可能な目標設定と効果的なアプローチを明確化できました。このような取り組みは、環境対応と企業価値の向上を同時に実現する一つの方法として、多くの企業にとって参考になると考えています。
自社で始める持続可能性の第一歩
当社の事例を参考に、以下の具体的な行動を検討してみてはいかがでしょうか。
- 省エネ診断を実施する:CO2排出量を把握し、削減対策を明確化。削減対策を明確化。
- 新技術の導入を検討する:環境負荷を低減するために、自社の製造工程に適したリサイクル技術やエネルギー効率の高い設備を導入。
- 取り組みの発信を強化する:境活動の具体的な成果を社内外に共有することで、ステークホルダーからの信頼を高める。具体例として、ウェブサイトや定期レポートでの情報発信を行います。
一般財団法人 省エネルギーセンターHP
無料ツールで、事業所のセルフ診断が可能です。まずはここから、試してみてはいかがでしょう。
環境省HP SHIFT
SHIFT事業は、工場・事業場での脱炭素化モデルを創出し、設備更新や運用改善を支援する補助金制度です。
持続可能な社会の実現に向け、当社の取り組みが皆さまの第一歩のヒントとなれば幸いです。
ご一読いただき、ありがとうございました。