新たに開発されたアルミ亜結晶粒押出材は、精密鍛造、精密切削、精密加工など多岐にわたる応用が期待されています。本記事では、その優れた特性と可能性について詳しくご紹介します。
アルミ亜結晶粒素材の特性
アルミ亜結晶粒素材は以下のような特性を持っています。
- 亜結晶粒サイズのコントロール:1~10、10~20、20~30μmなど粒子の大きさを制御可能
- 熱で結晶粒が肥大化しない: 高温環境下でも安定した特性を維持
- 高いEL・TS・YP: 通常の材質よりも延伸率、引張強度、降伏点が高い
- 内部の残留応力が少ない: より安定した性能を提供
これらの特性の中から、「EL・TS・YPについて」と「内部の残留応力が少ない理由」について詳しく解説します。
EL・TS・YPとは「延伸率」「引張強度」「降伏点」のこと
EL (Elongation at Break) 材料の延伸率(伸び率)を示す指標です。材料が引張試験中に破断するまでどれだけ延長するかを示す割合です。
- 例: A50mmが10%の場合、50mmの長さの試験片が引っ張られると5mm延びることを意味します。
- 用途: 材料の柔軟性と延性の評価に使用されます。
TS (Tensile Strength) 引張強度(引張強さ)を示す指標です。材料が引っ張り試験で受ける最大応力を表します。
- 例: N/mm²(ニュートン毎平方ミリメートル)またはMPa(メガパスカル)で表されます。
- 用途: 材料の最大強度の評価に使用されます。
YP (Yield Point) 降伏点を示す指標です。材料が最初に永久的な変形を開始する応力の値を指します。
- 例: N/mm²(ニュートン毎平方ミリメートル)またはMPa(メガパスカル)で表されます。
- 用途: 材料の耐力の評価に使用されます。
亜結晶粒子の内部には残留応力が少ない理由は、再結晶による緩和と亜結晶粒子の小さいサイズが影響しています。
- 再結晶による緩和: 高エネルギーの結晶粒が低エネルギーの結晶粒に置き換わる過程で、内部の応力が緩和されます。
- 小さい結晶粒サイズ: 結晶粒のサイズが小さいと、応力が分散されやすくなります。
- 高温での形成: 再結晶が進みやすくなり、亜結晶粒子が形成されます。
これにより、亜結晶粒を持つ材料は、耐久性や安定性が向上することがあります。
残留応力があると何がいけないのか
残留応力があると、材料や製品の品質や耐久性が悪化する可能性があります。
- 変形や破壊の原因: 残留応力が材料内に残ると、材料が変形しやすくなり、製品が壊れる可能性があります。
- 疲労寿命の低下: 耐久性が低下し、製品の寿命が短くなる可能性があります。
- 形状の歪み: 製品の形が歪み、正常に動かなくなることがあります。
- 例: ガラスが急速に冷却されると、表面と内部で温度差による残留応力が生じ、ガラスの強度が低下し、割れやすくなります。
残留応力は、材料や製品の設計および製造工程で重要な考慮事項となります。
まとめと今後の展望
今回新たに開発されたアルミ亜結晶粒押出材は、精密な加工が求められる分野での応用が期待されています。現在、用途を模索中ですが、試作やお見積もりについてのご相談は無料で承っております。少しの改善が大きな成果をもたらす可能性がありますので、お気軽にお問い合わせください。
今後、新規情報及び進展については随時更新いたしますので、今後の展開にもご注目ください。お客様の期待に応えて、最高の品質とサービスを提供することをお約束します。
お見積もりやご相談に費用は頂いておりませんので、この少しの改善がお客様の製品を大きく改善するきっかけになれば幸いです。その他アルミに関するお困りごとも解決できるかもしれませんのでお気軽にご相談頂けたらと思います。















