当社は、金属表面に独自開発の塗料を塗布することで放熱性能を高める「放熱塗工技術」を開発しました。
アルミニウム・銅・銀をはじめとする金属部材に対応し、半導体・電子機器分野などの放熱課題に対して、新たな選択肢を提供します。2026年夏には、加工受託サービスの開始を予定しています。
※本技術は、輝創株式会社(名古屋市守山区)との共同開発によるものです。
性能の測定には、大学発ベンチャーのThermicL(サミエル、同区)の協力を得ています。
技術の特長
放熱性能を高めます
金属部材の表面に均一な薄膜を形成し、表面からの放射放熱を高めます。
当社の測定条件において、従来の放熱塗工と比べて最大約1.5倍の放熱性能を確認しています。
薄く、工程を増やしません
膜厚は1マイクロメートル(100万分の1メートル)以下。
部材の寸法・重量・形状への影響を抑えながら、放熱性能を付与できます。
焼成工程を必要としないため、従来の放熱塗工に比べて加工コストを抑えられる見通しです。
多様な金属部材に適用できます
アルミニウム、銅、銀のほか、鋼、ニッケルなどの金属部材に対応します。
当社のアルミ押出材に限らず、お客様の部材形状・材質に合わせた加工体制を整えてまいります。
耐久性を確認しています
マイナス70〜プラス150度の温度環境下での熱影響評価に加え、耐食性を評価するCASS(キャス)試験を実施し、耐久性を確認しています。ある程度の曲げにも追従します。
仕組み
研磨された金属の表面は放射率が低く、表面からの放射による放熱が限られます。
本技術の薄膜は、界面の熱抵抗を抑えて部材表面の熱を効率よく受け取り、同時に高い放射率で外部へ放射します。
膜がごく薄いため、部材そのものの形状や特性をほとんど変えずに、放熱の経路を一つ加えられる点が特徴です。
適用条件について
放射による放熱は、自然対流・真空・高温など、放射の寄与が大きい環境ほど効果が出ます。
一方、強制空冷のように対流が放熱の主役になる条件では、放熱全体に占める放射の割合は小さくなります。
実機での効果は使用条件によって変わるため、当社では、お客様の使用環境に合わせた適用可否の検証から一緒に進めています。
想定用途
ヒートシンク、配線、バスバー、ベイパーチャンバーなどの放熱部材を想定しています。
スマートフォンやデータセンター向けをはじめ、放熱が課題となるさまざまな用途への展開を見込んでいます。
展示会でご覧いただけます
放熱塗工技術が、いよいよお披露目の段階に入りました。
下記の展示会に出展し、会場では実物のサンプルをご覧いただけます。
放熱でお困りの設計・調達のご担当者さまは、ぜひブースでお声がけください。
国内出展
- 6月3〜5日 AXIA EXPO
海外出展
- 6月2〜5日 COMPUTEX TAIPEI(台湾・台北)
- 6月24〜25日 AI Taiwan(台湾)
世に出ていない技術を、社会のニーズに合わせて形にしていくのは、時間のかかる仕事です。
それでも、放熱という多くの製品が抱える共通の課題に対して、素材とプロセスの両面から手応えのある結果が見えてきました。
お問い合わせ
本技術を用いた放熱部材の共同開発、受託加工のご相談を承っています。
「この部材に使えるか」「自分たちの使用条件でどの程度効くか」といった検討から、サンプルでの評価まで、技術担当が一緒に進めます。
会場にお越しになれない場合も、お気軽にお問い合わせください。
参考:当社の放熱塗工技術が、日刊工業新聞(2026年5月27日付)で紹介されました。
