2023年11月7日、中国が低炭素アルミニウムの生産に注力し、グリーンアルミニウム認証を開始したことが発表されました。
北京支援の業界団体によるこの動きは、今年約275万トンのアルミニウムを認証し、2024年には400万トンへと増加することを目指しています。
これはアルミニウム産業全体の約7%に相当する規模です。
世界最大のアルミニウム生産国の転換
中国は世界最大のアルミニウム生産国であり、その生産プロセスは大量の電力を消費します。
これまで主に石炭火力に依存してきた中国ですが、近年は水力発電や他の再生可能エネルギー源への移行を進めています。
この背景には、アップル、アウディ、BMWなどの大手ブランドからの環境に優しいサプライチェーンへの要望が影響しています。
グリーンアルミニウム認証の進展
中国非鉄金属工業協会の下部組織、中国緑色金属認証センター(CGMC)は、28社から224万トンのアルミニウムにグリーンアルミニウム認証を付与し、更に50万トンを評価中です。
認証プロセスは通常、1週間かかりますが、多くの企業が認証を急いでいます。
再生可能エネルギー源による生産
CGMCは、水力、風力、太陽光などの再生可能エネルギー源を使用して製造されたアルミニウムのみにグリーンアルミニウム認証を提供しています。
中国では、グリーンアルミニウム認証による価格プレミアムはまだほとんど存在しませんが、ヨーロッパではわずかながらプレミアムが見られます。
石炭火力発電を使用すると、アルミニウム1トンあたり約14トンの二酸化炭素が発生しますが、再生可能エネルギー源を使用することで2トン未満に減少します。
コストと今後の展望
グリーンアルミニウム認証のコストは1トンあたりわずか2元(約0.2748ドル)で、上海先物取引所の現在のアルミニウム価格に比べると非常に低いです。
2026年に施行される欧州連合の炭素国境調整メカニズム(CBAM)が、グリーンアルミニウム認証への需要をさらに高めると予想されています。
中国の国営研究機関安泰科は、2030年までに中国国内でのグリーンアルミニウム需要が2022年の2倍以上に増加すると予測しています。
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参考文献:ロイター https://jp.reuters.com/article/china-aluminum-idAFL4N3C70VE