
「銅よりも安くて軽いアルミニウム。でも本当に電気はちゃんと通すの?」
こんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。実は、アルミニウムは意外なほど優れた電気伝導性を持っています。しかも、銅の1/3という軽さと価格の安さを組み合わせることで、様々な分野で活躍しているんです。
この記事では、特に電気伝導率の観点から、アルミ製品の設計・製造におけるポイントを解説します。
電気伝導率ってなに?
まずは、電気伝導率について簡単に説明しましょう。これは、物質がどれくらい電気を通しやすいかを示す物差しです。
国際的には「IACS」(International Annealed Copper Standard)という単位を使い、銅を100%として他の金属を比較します。
アルミニウム (Al) の電気伝導率
材料 | 電気伝導率(% IACS) | 特徴 |
---|---|---|
純銀 | 108% | 最も電気を通すが高価すぎる |
銅 | 100% | 標準となる材料 |
純金 | 78% | 意外と銅より劣る |
A1070アルミ | 62% | アルミの中で最高クラス |
A3003アルミ合金 | 40% | 強度重視の合金 |
6063-T5アルミ合金 | 52% | バランス型合金 |
A1070アルミニウムの特徴
アルミニウムの中でも、特に注目したいのが「A1070」です。主な特徴を表にまとめてみました。
特性 | 数値 | 銅との比較 |
---|---|---|
電気伝導率 | 62% IACS | 銅の62% |
重量 | 2.7 g/cm³ | 銅の約1/3 |
価格(2024年4月) | 430円/kg | 銅の約1/3 |
加工性 | 非常に良好 | 銅と同等以上 |
- 軽量性:銅の約3分の1の重さ
- コスト:銅の約3分の1の価格
- 電気伝導率:銅の6割程度
アルミニウムは、一見「銅の62%しか電気を通さない」という弱点があるように見えます。
しかし、その軽さと価格の安さを活かした適切な設計により、多くの場面で銅以上の総合力を発揮できる、とてもスマートな材料なのです。
電気を流しやすい金属はどっち?アルミと銅の比較
「電気を流すなら銅が一番!」と思っている人も多いですが、実はアルミニウムも電気を流すのに向いている金属なんです。
しかも、軽くて安いというメリットもあります。では、実際にどれくらい違うのか、わかりやすく比べてみましょう。
アルミは、銅ほど電気を通しやすいわけではありませんが、コストの安さと軽さで大きなメリットがあります。※2024年4月のデータを元に、電気を流す力と価格を比べてみました。
材料 | 1kgあたりの価格(円) | 電気を流す力(% IACS) |
---|---|---|
銅 (Cu) | 約1,400円 | 100% |
A1070 アルミ | 約430円 | 62% |
💡 アルミは銅の約1/3の値段で買えて、電気を流す力も60%以上ある!
コストを考えると、銅の代わりにアルミを使うのはかなりお得です。
アルミで電気を流すために必要なサイズは?
アルミは銅より電気を流しにくいので、同じ量の電気を流すには「ちょっと大きめのサイズ」が必要になります。
材料 | 電気を流す力(% IACS) | 必要な太さ(銅の太さを1とした場合) |
---|---|---|
銅 (Cu) | 100% | 1倍 |
A1070 アルミ | 62% | 約1.6倍 |
A3003 アルミ合金 | 40% | 約2.5倍 |
6063-T5 アルミ合金 | 52% | 約1.92倍 |
💡 アルミは銅より太めにすれば、同じくらい電気を流せる!
同じ重さなら、アルミと銅どっちが有利?
アルミニウムの密度は2.7 g/cm³、銅は8.96 g/cm³。同じ重量ならアルミニウムは銅より約3.3倍の体積を持ちます。
アルミは銅よりも軽いので、同じ「1kg」の材料を使うと、アルミの方が大きな体積(かさ)があるというメリットがあります。
材料 | 重さ | 電気を流す力(% IACS) | 体積(L) | 同じ重さでの電気を流す力(銅を100%とした場合) |
---|---|---|---|---|
銅 (Cu) | 1kg | 100% | 約0.1116L | 100% |
A1070 アルミ | 1kg | 62% | 約0.370L | 約204.6%(2倍以上流せる!) |
A3003 アルミ合金 | 1kg | 40% | 約0.370L | 約132% |
6063-T5 アルミ合金 | 1kg | 52% | 約0.370L | 約171.6% |
💡 同じ1kgなら、アルミの方がたくさんの体積を確保できるので、大きな面積で電気を流せる!
アルミはこんな場面で活躍!
- 電線や送電線 → 軽いので、長い距離でも支柱への負担が少ない!
- 工場や建物の電気配線(バスバー) → コストが抑えられて、大量に使うのに最適!
- 電気自動車や航空機 → 軽量化でバッテリーの持ちが良くなる!
バスバーや大電流用途にアルミが選ばれる理由
バスバーとは?
バスバーとは、工場やビルなどの電力設備で、大きな電流を安全かつ効率的に流すための金属製の導体です。電気をスムーズに流すために高い導電性が求められ、また長期間使うために耐久性も重要な要素となります。
なぜバスバーにアルミニウムが適しているのか?
① 電気を流す力は十分!
A1070アルミニウムは電気伝導率が約62% IACS。これは銅より少し低いものの、軽さを活かして断面積を広げることで、大電流にも十分対応可能です。
② 軽くて施工がしやすい!
アルミニウムは銅に比べて約3分の1の重さしかありません。これにより、バスバー全体の重量が軽減され、設置や運搬が楽になります。特に、大規模な電力設備では施工の負担が減り、作業コストの削減にもつながります。
③ コストが安く、経済的!
銅の価格は近年高騰していますが、アルミニウムは銅の約3分の1の価格で手に入ります。
そのため、大量のバスバーを必要とする場合では、材料費を大幅に削減することができます。
アルミニウムを選ぶポイント
アルミニウムは、「軽さ × 電気伝導率 × 低コスト」の3つを重視する方に最適な選択肢です。特にA1070アルミは、電気伝導率が約62% IACSと高く、コストパフォーマンスに優れています。
✔ 銅ほど電気を通さなくても、軽さと安さを活かせる!
アルミは銅より軽いため、断面積を広く取ることで、同じ重さでもより多くの電流を流すことが可能です。
✔ 大規模な電力設備や大量生産にぴったり!
送電システムやバスバー、大規模な電気設備では、素材費や設置コストを大幅に削減できるため、トータルコストを抑えたい場合に理想的です。
こんな方におすすめ!
✅ 「銅より安い材料で、電気をしっかり通したい」 → コストパフォーマンスを重視する方
✅ 「大きな工場や発電所で、電力設備のコストを抑えたい」 → 大規模な電力伝送を検討している方
✅ 「軽くて扱いやすいバスバーやケーブルを導入したい」 → 設計者・エンジニアの方
アルミニウムは使い方次第で銅以上のメリットがある!
🔹 軽い・安い・そこそこ電気を通す → バスバーや大規模設備、航空機・EVなどの軽量化が必要な分野に最適!
🔹 A1070アルミは電気伝導率約62% IACS → 導電性 × 経済性を両立できる理想の素材!
🔹 断面積を広く取ることで、必要な電流をしっかり流せる!
🔹 材料費・設置コストを大幅に削減できる!
アルミニウムをうまく活用すれば、より効率的で経済的な製品を作るチャンスが広がります!
ぜひ、アルミの電気伝導率を活かして、最適な製品設計を考えてみてください!