加藤軽金属工業でできること
・小ロット・短納期対応
・短尺切断(3mm~/ 乱尺対応可)・加工、ろう付、曲げ、組立等の一気通貫加工対応
・メーター売りではなく、部材としての個数売りも相談できます。
・SDGs対応:グリーンアルミ・スクラップ再生アルミ、自社ライン電力グリーン化
・VA(Value Analysis)とVE(Value Engineering)製品製造のお手伝い対応を致します。
【A3003】について
A3003は純アルミニウムより若干強度が高いアルミ合金です。
3000系はMn(マンガン)を添加元素とするアルミ合金で、純アルミニウムと同等の加工性と耐食性を持っています。
これにより、純アルミニウムに比べ、成形性、溶接性、耐食性に優れ、若干の強度改善がされています。
A3003は3000系を代表する合金の一つです。用途としては、一般器物、感光ドラム、パネル等の建材、船舶用材、フィン材、アルミ缶等の容器があります。
取り扱い3003材の結晶粒
3003材料の結晶粒に関して、基本的にはろう付け用のビレットが取り扱っています。
また、冷間鍛造用のビレットも追加料金で提供させて頂くことも可能です。
3003材の成分表
規格 | 狙い | 範囲 | |
Si | 0.6以下 | 0.05以下 | |
Fe | 0.7以下 | 0.4 | 0.35~0.45 |
Cu | 0.05~0.20 | 0.11 | 0.07~0.15 |
Mn | 1.0~1.5 | 1.1 | 1.00~1.20 |
Mg | 0.05以下 | ||
Cr | 0.05以下 | ||
Zn | 0.10以下 | 0.05以下 | |
Ti | 0.05以下 | ||
Al | 残部 | 残部 |
25トンロットからになりますが、より高強度材でFe、Cuを増やした材料を調達及び製品製造が可能です。
アルミニウム合金に含まれる主な成分と効果
アルミニウムは純アルミで使用することがほとんどありません。(1円玉は純アルミ)使用の際は下記の添加物を一定量加えることで合金として様々な性質を加えることができます。
この添加物がどのような役割を果たしているのかの紹介です。
- シリコン (Si)
シリコンの添加は、強度と硬度を向上させます。また、シリコンは溶接性と耐食性を改善し、熱伝導性も向上させます。 - 鉄 (Fe)
鉄の添加は、アルミニウム合金の強度と硬度を向上させます。鉄はまた、熱処理時の組織制御にも役立ちます。 - 銅 (Cu)
銅の添加は、アルミニウム合金の強度を増加させます。銅は、耐食性や熱伝導性の改善にも寄与します。 - マンガン (Mn)
マンガンの添加は、アルミニウム合金の強度と耐食性を向上させます。また、マンガンは結晶粒の成長を制御し、溶接性や加工性を改善する効果もあります。 - マグネシウム (Mg)
マグネシウムの添加は、アルミニウム合金の強度と軽量性を向上させます。また、マグネシウムは耐食性を高め、熱処理による強度の増加や溶接性の改善にも寄与します。 - クロム (Cr)
クロムの添加は、アルミニウム合金の耐食性を向上させます。クロムは酸化皮膜を形成し、合金表面を保護します。 - 亜鉛 (Zn)
亜鉛の添加は、アルミニウム合金の強度と耐食性を向上させます。亜鉛は特に海洋環境などの塩水に対して耐久性が高く、耐食性の向上に寄与します。 - チタン (Ti)
チタンの添加は、アルミニウム合金の強度と耐熱性を向上させます。チタンは高温環境での安定性を提供し、耐摩耗性や耐クリープ性能を向上させる効果もあります。
押出に適した6000系アルミニウムと、3000系アルミニウムの違い+1000系アルミ
合金組成
アルミウム合金はアルミニウムにそれ以外の成分を加えることで、X000系といった種類に分かれています。
- 1000系アルミニウム合金(純アルミニウム)
- 主な合金化元素: アルミニウム (Al)
- その他の合金化元素: なし(純アルミニウム)
- 3000系アルミニウム合金
- 主な合金化元素: アルミニウム (Al), マンガン (Mn)
- 一般的な組成: アルミニウム 97〜99.5%、マンガン 0.5〜3%
- 6000系アルミニウム合金
- 主な合金化元素: アルミニウム (Al), シリコン (Si)
- 一般的な組成: アルミニウム 90〜97.5%、シリコン 0.4〜2.9%
- その他の合金化元素: マグネシウム (Mg)、クロム (Cr)、銅 (Cu)などが含まれる場合もあります。
特性
6000系アルミニウム合金は一般的に高い強度を持ち、特に強度重視の用途に適しています。
3000系アルミニウム合金はそれよりもやや低い強度ですが、一般的な用途には十分な強度を備えています。
一方、1000系アルミニウム合金は純アルミニウムであるため、他のアルミニウムに比べ比較的低い強度です。
1000系アルミニウム合金は非常に良好な加工性を持ち、容易に成形や加工が可能です。
3000系および6000系アルミニウム合金も一般的に加工性が良好ですが、6000系合金は押出し加工や曲げ加工に特に適しています。
1000系および3000系アルミニウム合金は一般的に良好な耐食性を持ちます。6000系合金も耐食性がありますが、合金の組成によって耐食性が異なる場合があります。
強度と剛性
1000系: 強度が比較的低く、剛性も低いです。
3000系: 1000系に比べて強度が向上しており、剛性も高くなっています。
6000系: 最も高い強度と剛性を持ち、要求される耐久性や荷重に対して適しています。
軽量性
1000系、3000系、6000系のいずれもアルミニウムの軽量性を共有しています。
耐食性
1000系: 耐食性がありますが、他の系列に比べるとやや劣ります。
3000系: 耐食性が高く、特に塩水環境に対して優れた耐久性を示します。
6000系: 一般的な環境や大気中での腐食に対して優れた耐久性を持っています。
その他アルミニウムの持つ優れた特性
【熱伝導性・加工性・可塑性と成形性】に優れている。
用途
1000系アルミニウム合金の用途
- 電線やケーブルの被覆材料
- 食品包装、缶、箔などの製造
- 建築材料として、屋根材や外装材
- 製品の外観部品や装飾品
3000系アルミニウム合金の用途
3000系アルミニウム合金は耐食性が高く、塩水環境においても優れた耐久性を持っています。
そのため、食品処理装置や食品加工機器の製造に使用されます。アルミニウムの非反応性と食品衛生基準に適合する特性は、食品の品質や衛生面を保護する役割を果たします。
- 調理器具、食品容器、製菓機器
- 自動車部品、エンジンカバー、フレーム
- 建築材料、窓枠、ドアフレーム、サイディング
- 熱交換器、冷却装置
6000系アルミニウム合金の用途
6000系アルミニウム合金は軽量でありながら強度が高いため下記のような製品製造に利用されています。
- 建築材料、窓枠、ドアフレーム、カーテンウォール
- 自動車部品、ホイール、サスペンション、カーゴボックス
- 航空宇宙産業、航空機の構造部品、ウィング、フレーム
- 電子機器、スマートフォン、ノートパソコン、電子筐体
3003材製造管理
・押出時ビレット温度管理(370~480度)
・巻込確認(初回・毎回対応/ エッチングテストで溶着部確認)
・リークテスト(必要に応じて)
・異材質のコンタミ対策
押出時ビレット温度管理(370~480度)
3003材料の押出時ビレット温度を適切に管理する必要があります。
適切なビレット温度管理(370~480度)により、材料の流動性や加工性を制御し、製品の品質を確保することができます。
押出時にビレット温度が低すぎると、材料の流れが悪くなり、欠陥や不均一な形状が生じる可能性があります。一方、ビレット温度が高すぎると、材料の過熱や変質が起こり、品質の低下や加工の困難さが生じる可能性があります。
私たちは適切な押出時ビレット温度管理により、3003材料の加工性を最適化し、製品の品質を確保をしています。
巻き込み確認
初回および毎回の製造ロットでエッチングテストを実施し、溶着部の確認を行います。
巻き込み確認により、3003材料を使用した製品における異材質のコンタミネーション(異物混入)を防ぐと共に製品の品質を維持を目的とし巻き込み確認を通じて、品質を確保しています。
リークテスト
必要に応じてリークテストを実施することで、3003材料を使用した製品の気密性と耐圧性を確認し、高品質な製品を提供します。
特定の製品において、気密性や耐圧性が重要な要素である場合、リークテストを実施します。例えば、圧力容器やガス供給システムなど、密閉性が求められる製品では、リークテストにより製品の品質を確認します。
異材質のコンタミネーション(異物混入)対策
異材質の混入は製品の品質を低下させる可能性があり、安全性や性能に影響を与える可能性があるため、コンタミネーション(異物混入)を防止する対策をしています。
材料の収納と保管においては、異なる材料を区別し、分離して保管します。また、クリーンな環境を維持し、作業スペースや機械の清掃を定期的に行います。さらに、視覚検査や非破壊検査などの手法を使用して、異物や異材質の混入を検出します。
異材質のコンタミネーションを防ぐために、材料の収納と保管、クリーンな環境の維持、品質管理と検査の強化などの対策を実施します。