アルミ押出業界は、製品の形状や機能にアルミニウムを使い、様々な産業分野で広く活用されています。そのため、少しでも良い製品を提供するためには最適な形状による効率的な生産が必要です。
最近では製品製造において「VA提案」と「VE提案」が注目を浴びているため、一度は「VA提案」と「VE提案」の言葉を耳にしているのではと思います。これは言葉こそ難しく馴染みのないものと思われがちですが、実は半世紀程前から使われているんです。意味は下記の通りです。
- VA（Value Analysis）提案は、顧客のニーズや要件を自主的に分析し、付加価値を高めるための改善策を提案する手法です。※当社では加工その他製品デザインの提案
- VE（Value Engineering）提案は、製品やプロセスの見直しコスト削減や効率化を実現する手法です。※当社では最適な形状による機能性向上やコストダウン
いずれも提案するという意味では同じなので、まとめて「VA・VE提案」と呼ばれることもあります。
当社では、アルミ形材の専門家として最適な形状を提案し、極力無駄を省いたVE提案を主に行っています。そのほかにも製品の製造に関わる各種加工を事前に提案し製品の質を向上させるVA提案を致します。
本記事では、アルミ押出業界におけるVA・VE提案の効果的な活用法について紹介していきます。これからの展望、業界における競争力を強化するために是非ともご覧ください。
導入の重要性
プロジェクトにおいて導入段階は重要な役割をしています。それは、導入の段階で正しい方向性を確立し、成功の基礎を築くことが出来るからです。特にVA提案とVE提案を導入することは成果を最大限活用するために必要な要素です。
そのために必要なのが「方向性の確立」「変革の推進」「トライアルと評価」「変化の継続性」です。
方向性の確立
受け入れの段階では、提案の目標や意図を明確に定義することが重要です。
VA提案では顧客ニーズの分析や付加価値の向上を、VE提案ではコスト削減や効率化を目指すこと正しい方向性を確立することで、関係者やチームメンバーは共通の目標に向かって一体となって取り組むことができます。
変革の推進
VA提案やVE提案は、既存の方法やプロセスに変革を成し遂げるものです。
ただし、変革を推進するためには、導入の段階で関係者に対して変革の必要性や提案の理由や根拠を明確に説明し、関係者に納得していただくことが重要です。
トライアルと評価
導入の段階では、VA提案やVE提案を実際に試行し、効果や効率性を評価することが重要です。
実施する前にトライアルを行い、具体的な結果や改善点を把握します。そして提案の適切性を検証することができます。
また、評価の結果をフィードバックとして活用し、改善や調整を行うことも重要です。
変化の継続性
VAや提案VEは、一時的な解決ではなく、持続的な変化を目指すものです。
導入の段階では、変化を継続するための仕組みやプロセスを確立することが重要です。
変化を定着させるためには、トレーニングや教育プログラム、定期的な評価や改善のサイクルなど、サポート体制を整える必要があります。
VA提案の活用法
- 顧客のニーズと要件を徹底的に分析し、製品やプロセスの価値を最大化するための提案
- 問題特定と改善提案: 現行の製品やプロセスに潜む問題を特定し、効果的な改善策を提案
- そして付加価値の追加です。製品やプロセスの各要素に対して、機能の最適化や品質の向上など、付加価値をもたらす提案
VE提案の活用法
- 製品やプロセスの見直しを通じて、効率的な代替手段や素材の選定、設計変更などを提案し、コストと手間を削減
- 製品やプロセスにおいて、より効果的な代替手段や工法の探求を行い、最適なバランスを見つけるための提案
- 新たなアイデアや技術を導入し、製品やプロセスにおける革新的な解決策を提案
両提案のシナジー効果
VA提案とVE提案を組み合わせて活用することで、お客様が形材を快適に利用できる環境を生み出す方法を探求します。
実際の事例紹介
実際のアルミ押出成形企業でのVA提案とVE提案の活用事例を紹介します。
ダイキャストから押出
ダイキャストと押出形材は、それぞれ異なる利便性を秘めています、当社の提案では現在の製品要求や使用環境をお伺いし、押出形材に置き換えることでよりパフォーマンスを向上させることを目的としています。
この記事ではダイキャストとアルミ形材の違いを比較し、そのうえで形状によりアルミ形材はダイキャストの代替品になるかもしれないというご紹介を致します。 まず、それぞれの製造された製品のメリットとデメリットです。 ダイキャス[…]
形状変更で生産性向上し、コストダウン
形状変更による生産性の向上については、より複雑な形状や細部のデザイン変更によって、材料の使用効率が向上し、製品の生産量が増えることが期待されます。
この記事では、アルミ押出形材の形状変更が生産性の向上とコスト削減にどのように貢献するかについて解説します。 アルミ押出形材は、様々な産業分野で広く使用されており、その需要は年々増加しています。そのため、より効率的な生産方法を見つける[…]
加工工程の変更を提案。例えばNC加工からプレス加工に変更
ここでは従来の加工工程への提案です。
例に上げさせてもらったNC加工は便利です。複数の加工が一度に行えるものは正直助かるの一言です。
たしかにあったら便利なNCですが、なくても加工は出来ます。作業工程によっては、2工程で済むものや単純な穴あけなど複雑な工程と多くの個所の加工を必要としなければ、他の工作機械を用いる事で品質を維持しつつコストダウンが可能になる場合があります。
【ちょうどいいを適正価格で】私たちは提案します。
当社で加工をすることで、加工ラインの短縮
【形材をもっと使いやすくする】をテーマにお客様の負担を少なくする提案を致します。
アルミ形材は長尺の物を製造できるのでそれだけでも材料として優秀ですが、使用するにあたって多少の加工が必要になってくるものと思います。
たとえ単純な加工でも部品が1000個。一人で１工程10秒かかる場合だと約2時間45分かかります。形材を短くカットして利用する場合、その数は膨大で、加工工程がさらに多い場合だとさらに時間がかかってきます。
加工にはかなりの時間と設備も必要になります。こうしたお客様の手間を少なくし製造工程が楽になるような提案をします。私たちはアルミ加工分野で実績のある信頼できる協力会社をよく知っています。出来る事を知っている私たちは、正確に素早く使いやすくお客様に製品を提供します。
セル生産で2工程加工工程を削減する
加工や組み立て製造などを用途に分けてチームを組んで取り組みます。
弊社は社員の教育に力を入れており、各種工程をNCでは実現出来ないチームワークで複数の加工を一度に行うことが可能です。
それによりお客様へ製品製造の簡略化を提案します。
私たちのVA・VE提案からより良い製品を
お客様へより良い製品を実現するためにVA・VE提案の重要なポイントをご案内します。
- 具体的な目標を定め、取り組むべき課題や必要な改善策を明確化することさせます。
- 私たちは意見やアイデアを共有し、最適な提案を考えます。適切な協力体制を見据え、チーム全体で目標に向かって取り組んでいきます。
- 継続的な改善を常に行い、問題特定と改善提案の徹底、効果的な代替手段や改善案の検討をします。
私たちの企業理念 Mission, Vision, Valuesをご紹介します。 Our Mission 会社の存在意義・使命 【 寄り添い型探し 】 親身になって相手の気持ちを理解しようとし、共感する。社会・顧客ニーズを理[…]
まとめ
今後も、変化する市場環境に柔軟に対応し、持続的な改善を行いながら、お客様の受け止めと満足度を高めるために、VA提案とVE提案を積極的に活用してまいります。
私たちはお客様以上に「VA・VE提案」を理解することに努め、皆様のパートナーとして、VA提案とVE提案の効果的な活用法を提供するために取り組み続けます。
