農業の“ついで”に、収入と涼しさをプラスする、新しいソーラーシェアリングの話。
「農業を続けたい。でも、このままじゃ…」
先日、私たち加藤軽金属工業は「第2回ソーラーシェアリングEXPO」という展示会に出展いたしました。
全国から集まった多くの農家の皆さんとお話しする中で、私たちが一番強く感じたのは、「農業を続けたいけれど、このままでは厳しい」という切実な声でした。
電気代は上がり続け、肥料代も高騰。一方で、丹精込めて作った農産物の価格は、思うように上がらない。
「何か新しい収入源が欲しい。でも、先祖から受け継いだこの畑を、農業を手放したくはない」
そんな皆様の想いを受けて、私たちはアルミ製のソーラーシェアリング架台を、本気でご提供することを決意いたしました。
「また新しい業者が、うまい話を持ってきたか…」 そう思われるかもしれません。
でも、農業を20年、30年と続けてこられた、土の匂いを誰よりも知っている皆様だからこそ、本当にご自身の農業と両立できる設備とは何かを、真剣に考えていただきたいのです。
そのためにまず、私たちが実際に見てきた、先輩たちの「後悔の声」からお聞きください。
まずは知ってください。先輩たちの、3つの“後悔”
20年という長い事業だからこそ、「こんなはずじゃなかった」という声が、残念ながら存在します。
あなたに同じ想いをしてほしくないからこそ、包み隠さずお伝えします。
後悔1:「安さ」で選んで、結局高くついた…
「とにかく安く始めたい」と、初期費用を抑えることだけを考えて鉄の架台を選んだ方。数年後、架台の溶接部分からサビが広がり、そのサビが大切な土に落ちていないか、不安な日々を送ることに。結局、サビ止めの再塗装などで、かえって高くつくことも。
後悔2:「発電」を優先して、農業がおろそかになった…
「売電収入を最大にしたい」と、畑にパネルを詰め込みすぎた方。結果、畑が暗くなりすぎて作物の収量が激減。3年後の更新審査で「農業が適切に行われていない」と判断され、事業の継続が難しくなってしまう。
後悔3:「業者にお任せ」を信じて、途方に暮れた…
「全部やりますから」という業者の言葉を信じて契約した方。しかし、設備の日常点検や行政への定期報告は、結局すべて事業者であるご自身の責任でした。更新手続きの際に「書類が足りません」と突き返され、慌てて専門家を探す羽目になる。
では、後悔しないためには?答えは「ルール」と「素材」の賢い選択にあります
ご安心ください。これらの後悔の多くは、事前に知っておくことで避けることができます。
1.国のルールが「真面目な農家」の味方になりました
まず「後悔②」のような事態を防ぐため、2024年に国のルールが厳しくなりました。
これは、発電ばかりを優先する業者を排除し、「本気で農業を続ける人」を後押しするための、歓迎すべきルール変更です。
これからは、あなたの農業に寄り添う設備でなければ、そもそも生き残れないのです。
「え、厳しくなったの?」と不安に思うかもしれません。
でも、これは逆です。発電ばかりを優先するような不真面目な業者が排除され、本当に農業を大切にする人だけが残れる、正直者が報われるルールになったのです。
2.20年後を見据えた「素材」を選びましょう
そして、「後悔1を避けるために最も重要なのが「素材選び」です。ソーラーシェアリングは20年以上の事業。長い付き合いになる架台。
鉄とアルミで、20年後のご自身の姿、そして20年後の農地のこと、未来がどう変わるのか、ぜひ比べて創造してみてください。
比較 | 一般的な鉄製架台 | 私たちのアルミ架台 |
20年後の状態 | サビ発生、塗装の剥がれは避けられない | 長期間、美しい状態を維持 |
大切な土壌への影響 | 塗装成分の混入リスクが否定できない | 素材そのものが錆びにくく、土を汚さない |
一番心配な撤去費用 | 高額な費用を「払う」必要がある | 価値ある資源として「売れる」可能性がある |
20年後の事業の終わりに、高額な費用を支払うのか。それとも、資源として売却し、逆にお金が手元に残る可能性があるのか。この差は、計り知れないほど大きいと思いませんか?
私たちの判断基準は、ただ一つ。
あなたの農業の“邪魔”はしません。むしろ“助け”になります
「パネルを付けたら日当たりが悪くなって、作物が育たないのでは?」
「トラクターが通れなくなって、作業が大変になるんじゃないか?」
これは、当然のご心配です。
私たちの答えは「あなたの農業に、設備を合わせます」です。
作業の負担を、軽くします
記録的な猛暑の中での作業、本当に大変ですよね。
パネルの下は直射日光が当たらないので体感温度が2-3℃下がり、熱中症のリスクを大幅に減らせます。
作物を、そして農業機械を守ります
強すぎる日差しから作物を守る「葉焼け」防止効果に加え、作物に合わせた日照コントロール(例:トマトなら広く、ほうれん草なら密に)も可能です。
もちろん、今お使いのコンバインが悠々と通れる高さと間隔で設計します。
「あなたの農業」が主役です。
一番心配な「万が一」のお話も、正直にさせていただきます
20年という長期間ですから、心配なことがたくさんあると思います。
- もし、設備が壊れたら?
台風や不慮の事故のリスクに備え、損害保険にご加入をおすすめします。
私たちのアルミ架台は軽量で、部分的な修理がしやすいのも特徴です。 - もし、農業をやめることになったら?
後継者がいない、ご自身の体力の問題など、様々な事情が考えられます。
ルール上、農業をやめた場合、発電事業も終了となり、設備の撤去が義務付けられています。 - 撤去費用の心配は、ほとんどありません。
ご安心ください。一般的な重い鉄製架台と違い、私たちのアルミ架台は軽量で、解体も簡単です。そして何より、撤去したアルミは、鉄くずではなく、価値のある資源としてリサイクル業者に買い取ってもらえます。 撤去費用を支払うどころか、その買取価格で費用をまかなえる可能性すらあるのです。
正直にお伝えします。これは「事業」であり、覚悟が必要です
ここまで良いお話をしてきましたが、私たちは誰にでもこの設備をお勧めするつもりはありません。
「後悔③」のようなことにならないためにも、これだけはお伝えさせてください。
ソーラーシェアリングは、単なる「設備の設置」ではなく、農林水産省がその将来性を見込んで提唱した、20年スパンの「新しい農業事業」です。
事業である以上、当然ながら良いこともあれば、悪いこともあります。
そして、どんな事業も、いきなり簡単に成功するものではありません。
私たちは、皆様に「こんなはずじゃなかった」という後悔を、20年の間にしていただきたくないのです。
だからこそ、もし心のどこかで、次のようなお考えをお持ちであれば、この事業は20年間、幸せに続けることが難しいでしょう。私たちも、正直にお断りさせていただきます。
- 「補助金や売電で、楽して儲けたい」という考えの方
→ これは補助金頼りの取り組みではありません。
農業とエネルギーという、二つの事業を経営する覚悟が求められます。 - 「とりあえず設置すれば、あとは誰かがやってくれる」という考えの方
→ 日々の営農管理、設備のメンテナンス、3年ごとの許可更新。
すべて事業者である、あなた自身の責任です。 - 「家族や地域への説明は、後でいい」という考えの方
→ 20年間、あなたの農地の風景は変わります。
事前にご家族や近隣の方々としっかり話し合い、応援してもらえる関係を築くことが、事業成功の大前提です。
農業とエネルギー、二つの事業を経営する覚悟と、ご家族や地域への丁寧な説明が、事業成功の大前提です。
私たちが、本当にお役に立ちたいのは、こんな覚悟を持った方です
- 農業を「一生の仕事」として、守り、育てていきたいという強い意志をお持ちの方
- 目先の初期費用だけでなく、20年間の事業全体の収支とリスクを冷静に考えられる方
- 新しい農業のカタチに挑戦し、学び続ける意欲のある方
- そして、地域社会の一員としての責任を果たし、周囲から応援される事業を目指す方
最後に:無理な営業は、絶対にいたしません
私たちは60年以上、モノづくり一筋でやってきた会社です。
短期的な利益より、皆様との長期的な信頼関係を何よりも大切にしています。
まずは、「うちの畑でもできるのかな?」「他の架台と何が違うのか、もっと詳しく聞きたい」そんな、ちょっとした疑問からで大丈夫です。
あなたの農業のこと、ご家族のこと、将来のこと。一度、私たちに話を聞かせていただけませんか。
「農業ファースト」のソーラーシェアリングを、一緒に考えさせてください。
加藤軽金属工業株式会社
どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
もちろん、ご相談いただいたからといって、しつこい営業は一切いたしません。
安心してお問い合わせください。
参考資料:安心してご検討いただくために
ソーラーシェアリングを始めるにあたって、少し難しい国のルールのお話も、皆様の20年間の事業と大切な農地を守るために重要なことですので、包み隠さずお伝えします。安心してご検討いただくための、参考情報としてお役立てください。
ソーラーシェアリング新旧比較表(簡易版)
項目 | 旧制度 (~2024年3月) | 新ガイドライン (2024年4月~) | ポイント |
報告義務 | 毎年の報告を求めるが、書式や内容は不明確な場合も。 | 栽培実績に加え、収支報告書の毎年の提出を義務化。 | 営農・経営実態の継続的なモニタリングが厳格化。 |
撤去費用 | 明確な規定なし。 | 申請時に撤去費用負担の証明書提出を義務化。 | 事業終了時の原状回復の確実性を担保するセーフティネット。 |
最低地上高 | 明確な規定なし。 | 原則として2メートル以上を確保。 | 農業機械の利用効率を保証し、営農継続を本気で求める姿勢。 |
地域合意形成 | 個別案件ごとの判断。 | 「地域計画」との連携、協議の場での合意が要件化。 | 事業の計画段階から地域との調和が必須に。 |
■これまでの経緯(簡単な年表)
営農を続けながら太陽光発電を行うための、最初の公式ルール(通知)が国から出されました 。
ルールが改定。特に、地域の農業を担う「担い手」や、荒廃農地を再生利用する場合に、一時転用許可の期間が従来の3年から10年に延長されました 。
※注意点:この「10年許可」は誰でも受けられるわけではなく、特定の条件を満たす場合に限られます 。
そして、皆様の農業を本気で守るために、ルールが大きく変わりました。
これまでのルールが廃止され、より厳格な新しい「ガイドライン」が制定されています。
背景:発電ばかりを優先し、農業がおろそかになる事例が増えたためです 。
主な変更点
- 毎年の収支報告が義務化されました
- 設備の撤去費用を確保していることの証明が必須になりました
- 架台の高さは原則として2m以上確保することが求められます
※重要なポイント:この新しいルールは、これから始める人だけでなく、既に設備を設置している人も、次の許可更新のタイミングで適用されます 。
■公式資料の概要
国の公式資料は、主に以下の3つがあります。
1.ガイドライン
「営農型太陽光発電に係る農地転用許可制度上の取扱いに関するガイドライン」の制定について
令和7年3月 31 日 6農振第 2983 号
参考資料:農林水産省pdf
どんな資料?: 皆様がソーラーシェアリングを始める際に、国が定めた全ての基準が書かれている基本ルールブックです。
書かれていること:許可を得るための基準や、必要な申請書類、守るべき条件などが定められています。
2.事業者向けQ&A
令和7年4月(改訂版)
参考資料:農林水産省pdf
どんな資料?:皆様のような事業者の方が抱く疑問に、国が直接答えてくれる公式解説書です。
書かれていること:「こんな時はどうするの?」という具体的な疑問に対し、一問一答形式で分かりやすく解説されています。
3.行政担当者向けQ&A
営農型太陽光発電の実務用Q&A(都道府県、市町村及び農業委員会担当者向け)
令和7年4月(改訂版)
参考資料:農林水産省pdf
どんな資料?:行政(市町村や農業委員会)が、私たちの申請を「審査する側」のマニュアルです。
書かれていること:行政がどこをチェックし、どう判断するのかが書かれています。私たちが皆様にご提案する際にも、この内容をしっかり把握することが、スムーズな手続きのために重要となります。
より詳しく知りたい方へ
あなたの立場に合わせた、より詳しい情報をご用意しております。