皆さんはめっきと聞いて何を思い浮かべますか?
めっきとは金属や樹脂などの材料に、表面を金属の薄い皮膜や被覆することです。
例えばオリンピックの金メダルに使われていることを耳にしたことがあるかもしれません。金メダルは全部が金で作られているというわけでなく、銀材の表面に金でめっきがされています。
おそらく普通に暮らしていたら「めっき」という言葉はあまり耳にしませんから、よく知らない人がほとんどだと思います。しかし、めっきはとても身近にあり、今もめっきを目にしているかもしれません。例えば手に持っているスマホやパソコンにも数百のめっき部品が組み込まれています。
なぜこれだけ多用されているかというと、めっきを施し表面に別の金属を析出させることで、防食性(さび)、熱伝導率、硬度向上、美観の向上など異なった性質を付与する事が出来るからです。
それではめっきについて簡単にご紹介します。
めっき処理の種類
めっき処理の種類は湿式と、めっき液を使用しない乾式があります。
湿式の中で電気を用いてめっきするものが電気めっき(電解めっき)。電気を使わないものが無電解めっきです。
乾式めっき金属を加熱して気化させたり、ガスによる化学反応を用いるめっきです。気体中や真空状態で行います。
用途に適しためっき方法がありますので、詳細はお問い合わせください。
電解めっき(電気めっき)
電気めっきは、めっき液中の金属イオンを電気エネルギーによってめっき被膜を作ります。
めっき液は金属が水溶液中にイオン化(溶けている)液体のことです。
めっきの際はめっき液(水溶液)に、めっきしたい金属(例えば銅等の付着させるもの)を陽極に入れめっきしたい材料を陰極に入れて電流を流すことで金属の表面上に析出(めっきが作られる)される。
陽極と陰極は、電気分解におけるプラスとマイナスの事です。電流は陽極(プラス)から陰極(マイナス)に流れます。
電流を流すことにより陽極(プラス)で金属をイオン化(溶かす)させ、陰極(マイナス)で還元反応により析出(固形の金属に戻し付着)させます。
電気を流す時間によって被膜の厚さをコントロールできます。
無電解めっき(化学めっき)
無電解めっきは化学反応を用いためっきのことで、電気を使用しません。水溶液との化学反応を利用して被膜を作ります。
電気を使用しないためガラスや樹脂、セラミックなどにもめっき処理が可能になります。
また、めっきの厚みが均一になるため寸法精度を出したい場合や複雑な形状にも対応できます。
電気めっきの被膜種類とめっき可能な素材
主な被膜金属とめっき可能な素材の紹介です。
【電気めっき(電解めっき)】
- 99.99純金
- 金
- プラチナ
- 銀
- 銅
- ニッケル(光沢、無光沢、黒スズニッケル)
- スズ
- 亜鉛
- クロム
- パラジウム
【無電解めっき(化学めっき)の種類】
- 無電解ニッケル
- 無電解金
- 無電解プラチナ
- ステンレス
- 金、金合金
- 銀、銀合金
- 銅、銅合金(黄銅、真鍮、洋伯、白銅等)
- ニッケル、ニッケル合金
- 鉄、鉄合金
- アルミニウム、アルミニウム合金
- チタン、チタン合金
- タングステン、タングステン合金
- ガラス
- 樹脂
- セラミックス(アルミナ・シリコン等)
陽極酸化処理【アルマイト】
アルミニウムには表面に他の金属特性を得られるめっきの他、アルマイトという被膜を作る方法があります。
めっきと同じように耐食性、硬度、機能性、美観の向上ができますが、アルミニウム特有の被膜は絶縁性の酸化アルミニウム(アルミナ)でできており電気を通さない性質があります。
その他めっきの種類
分野によってメインとなるめっき方法は違います。そこで参考までに電解めっきと無電解めっき以外のめっきを一部紹介します。
気相めっき
気相状態(物質が金属になっている状態。つまり)で水素、窒素、アルゴンのガスを用いて材料に析出させる方法。
溶融めっき
いわゆる通称どぶ漬けの事です。溶かした金属中に鋼材等を直接つけることで厚い被膜を作ります。
(イメージとしてはチョコバナナみたいに表面をコーティングさせます。)
まとめ
大きなものから小さなものまで広く使われるめっきについて簡単に説明しました。
めっきの機能性は見た目でわかりにくいものです。その特性をご案内し、製品に価値を生み出す事が我々の仕事とらえています。
お客様にとっての最善を実現するため、めっきや表面加工専門のパートナー企業と連携を取り、お客様の製品に新たな価値をプラス致します。
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こんな疑問がひとつでもあれば、是非相談してください。お話を詳しく伺い最適な提案をさせて頂きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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