安定した品質で形材をお届けするために、必ず検査を行っています
購入先より、化学成分の分析票を提出してもらい、JISの基準をもとに押出に適したビレットになっているかを確認。さらにビレットの表面を目視確認でチェック。亀裂等のない安全なものか確かめます。
問題ないと判断したビレットを納入。納入時の長さは [ φ155 × 5800 mm ] [ φ204 × 5800 or 6000 mm ] になり、これを必要な長さに切断し様々な形状へ押出を行います。
下記表がビレットの化学成分表になります。
RoHsとREACHについて。
当社がお客様に提供する製品はアルミ形材なので、ビレット成分表と同じシリコン、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、チタンが含まれています。
つまり、RoHs指令とREACH規則に含まれる成分や化学薬品は使用されていませんのでどちらの規格にも準拠していると言えます。また、アルマイト加工にて色を付けた場合も同様です。
※当社が提供する製品に塗装加工(表面に塗料を塗る)をご依頼いただいた場合、お客様指定の塗料がRoHs指令とREACH規則の対象外となる可能性もございます。ご不明な点は、ご依頼時に営業部にご相談ください。
新塊(バージン材)と再生塊(リサイクル)ビレット
使用ビレット
当社が購入しているビレットは、新塊(バージン材)と再生塊(リサイクル)の2種類があり、6000系ビレット【 6063 / 6005C / 6061】を【新塊 約 80 % 、再生塊 約 20 % 】で使用しています。
この二つの違いは、文字通り新しく作ったものかリサイクルされたものかの違いです。リサイクルと聞くと「品質が悪くなるんじゃない?」「新塊のほうが良さそう」など疑問を持たれる方も多いかと思いますが心配はありません。
なぜなら、押出に使用する 6000系 ビレットを含め加工に使われる 1000系 ~ 7000系 はすべてアルミ合金だからです。
つまり、新塊や再生塊であっても、アルミ合金(当社の場合は 6000系ビレット)に加工するために成分調整をしています。そのため品質的にほぼ同一のものがつくられるので性能に差はありません。安心して利用できます。
また一部のビレットは水力発電で製造されており、グリーンアルミニウムを検討されている顧客向けに使用可能です。その際、証明書が必要とあれば別途費用が必要ですが、提出可能です。
※アルミニウムは自然界にそのままの状態で存在することは、ほとんどありません。ボーキサイトという鉱石に加工を繰り返すことでアルミニウムが誕生します。その際に必要な成分・純度に調整し、用途に応じてインゴットあるいはスラブ、ビレットに鋳造されます。
再生塊は地球にやさしい
これからの社会は地球環境を考える事がとても重要です。そのためにも積極的に再生塊を利用したいと考えています。
なぜ再生塊を使いたいかというと、アルミニウムはリサイクルに非常に優れているからです。
アルミニウムは融点(溶ける温度)が 660 ℃ と低く、他の金属と比べて比較的容易に再生することができます。
※鉄の場合は 1500 ℃ 。
しかも再生塊(リサイクル)をつくるのに必要な電気エネルギーは、ボーキサイト鉱石からバージン材(新塊・新)をつくる場合と比べてわずか3%の電気エネルギーで済むといわれています。
電気を作るためにも二酸化炭素が大量に発生します。新たに作るより電力を 97% カットできるのであれば、それだけで二酸化炭素の排出を抑えているといえます。そのためアルミニウムは「リサイクルの王様」と呼ばれることもあるそうです。
だからこそアルミニウムは、社会全体を循環する金属といえます。
当社でも、押出成形後に出る端材はすべてリサイクルを行っています。そこから成形されたビレット(再生塊)を新たに使用することで、地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出を抑えます。
リサイクル性に優れているからと言っても、まだまだ需要の多いアルミニウムは、どうしても再生塊より新塊の比率が高くなってしまいますが、ゆくゆくは再生塊の割合を増やしていくことで少しでも社会に貢献。地球環境に優しい会社を目指します。
確かな品質を提供するために
より良いものを提供すること、これはわが社の目標でもあります。
会社概要にもある「高品質と迅速をモットーにアルミ押出製品をお届けします」とあるように、高品質な製品を製造するため日々努力しています。
そのため、いくつかの外的要因をなくす一環として下記の取り組みを行っています。
成分表に出てこない不純物
ビレットの成分が合格だからといっても押出形材に不純物が混じって不良となってしまうことがあります。
そこで不純物を取り除くために行っているのが汚れの対策です。
ビレットは保管の際にどうしても雨風や砂埃などにさらされで表面が汚れてしまします。そのままの状態だと汚れあそのまま入り込み形材に影響する可能性が出てきます。
それを改善するため、当社では押出成形前に必ずビレットの表面をブラッシング・金型にエアーを吹き付けて埃を飛ばし、極力きれいな状態で作業できるよう心がけています。
まとめ
当社の取り組みを簡易にまとめたものが下記になります。
- ビレット受入時には必ず検査を行っている。
- ビレットの新塊と再生塊の品質は同じ。
- アルミはリサイクル性に優れ、少ないエネルギーで再生可能。
- 不良を生み出さないよう外的要因を極力排除している。
上記以外に、引張試験、硬さ試験など品質に問題ないか厳正にチェックし、納品物に不良がないかを確認しています。
これから先も、より良いものを安定した品質でお届けします。
加藤軽金属工業株式会社 をどうぞよろしくお願いします。